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入居企業と上場企業2社を含む豪華ゲストが登壇!「FGN Conference」

福岡のスタートアップ企業や、企業の第二創業の支援の一環としてマンスリー開催している『FGN Conference』。2017年7月19日に開催された同イベントでは、FGNへの入居企業や上場企業2社も登壇するなど、実にさまざまな立場から起業や事業の運営方法などに関する貴重な意見、アドバイスをいただきました。ここではその模様を抜粋してお伝えいたします。

まず最初に登壇したのは、テモナ株式会社の取締役COO兼CTOの中野賀道氏です。がっちりした体躯、黒ぶちの眼鏡に特徴的な口髭をたくわえた出で立ちも印象深いのですが、時代の流れを読んだ緻密な事業計画についてのお話にも、グイグイ引き込まれるように聞き入ってしまいます。

東京からの中継でモデレーターの那珂通雅氏と話すテモナ株式会社取締役COO兼CTOの中野賀道氏

ビジネスモデルの提案として、企業のストックビジネス化を支援しているテモナは、6月26日付の東洋経済オンラインの『経営利益がケタ違いに伸びるトップ100社』において6位にノミネートされるなど、たいへんな注目株です。そんな同社ならではの戦略の一つが、3年前、上場に向けて行った取り組みにあると中野さんは言います。当時の社員数が14名だったところに、なんと10名の新入社員を採用したそうです。つまり半数近くの人が新入社員だったわけです。

即戦力となる中途採用を見送った理由についてですが、中途採用の場合、どうしてもエージェントに頼らざるをえず、コストが上乗せされてしまうからということと、スキル的には成長過程だとしても、事業内容に共感し、(中野さんたちと)同じ気持ちで頑張ってくれる人を優先した、ということのようです。今年の4月6日に東証マザーズへ上場した結果が、その選択が間違っていなかったことを物語っているわけですが、具体的な目標(この場合は上場)と達成時期を掲げ、それを実現するための行動を逆算するというやり方が、大事なポイントかもしれません。このあとに登壇したオプトホールディングの鉢嶺氏がそうおっしゃっていたのと合致するからです。

続いての登壇者は、株式会社グローバルエンジニアリングの代表取締役COOの高橋宏忠氏です。自社開発したシステムにより使用される電力を予測し、安価な電気の安定供給をビジネスモデルとする同社は、現在4000件の企業と契約するなど、数百社ある電力企業の中でも16位にランクされている有望なスタートアップです。

株式会社グローバルエンジニアリング代表取締役COOの高橋宏忠氏

順調に業績を伸ばしている同社ですが、高橋さんいわく、最初はなかなか契約が取れず、半年で50件ほどだったといいます。なかなか契約に至らない場合は、自分たちのシステムは優れていると、いつも自身にそう言い聞かせていたそうです。そのうち実績を重ねることで信用が増したこともあり、その後の半年で1000件に契約が急増します。信じる気持ちがいかに大切かということを物語るエピソードですね。言うまでもなく心底いいと思えるモノを作り上げることが大前提になるのでしょうけれども。

続いての登壇者はFGNの入居企業である株式会社スタディストの執行役員CMO社長室室長の豆田裕亮氏です。同社の創業メンバーは全員が業務改善を専門とするコンサルティングのプロであり、豆田氏も前職は大手自動車メーカーの設計製造コンサルティングに従事し、自動車の製造工程のマニュアルを作っていたそうです。そんな経験から導き出されたテーマが、伝えるという行為をより簡単にする、でした。

株式会社スタディストの執行役員CMO社長室室長の豆田裕亮氏

そこで開発されたのが、Teachme Bizというクラウド型マニュアル作成・共有ツールです。このツールはPCやタブレットで、画像や動画ベースの分かりやすいマニュアルを短時間で作成・共有できるものです。講演中、豆田氏が実演していましたが、手間ひまかけて編集したかのような動画が瞬時に作られていきます。こうして出来上がった動画は、閲覧状況の管理や担当者を指定した作業指示まで行えるそうです。その抜群の利便性の高さは、誰もが知る大手企業をはじめとする1500社がこのシステムを採用していることが証明しています。
かような着眼点も実に素晴らしいのですが、開発にかける意気込みにも心を打たれます。なんと日中の仕事が終わってからみんなで開発・製作に取り組み、週末も利用して数年かけて仕上げたといいます。その過程では、きっとさまざまなドラマが繰り広げられたことでしょう。

ここで前半が終了。10分間の休憩をはさみ、東京からの中継です。2008年にインターネット広告代理業でシェアNO.1を獲得し、2013年に東証一部に上場した株式会社オプトホールディングの代表取締役社長である鉢嶺 登氏の登壇です。鉢嶺氏が同社を起業したのは1994年。前職の森ビルに入社した時から3年で起業することは決めていたそうですが、具体的に何をするのかは決めてなく、それを探しに行ったエジプトへの旅行が、人生の大きな転機になったといいます。

鉢嶺氏はその時の様子を情感豊かに語ります。そこで出会った一人の貧しい老人を見て日本の豊かさを再認識し、先人たちの苦労に思いを偲ばせたそうです。その結果、自分が事業を展開することで次の世代にこの豊かさを引き継いでいく。そんな使命感を抱いたとのことです。起業してから2000年までの7年間は、いつ倒産してもおかしくない状態だった、と鉢嶺氏は述懐していましたが、おそらくエジプトの体験で得たスケールの大きな使命感も、数々の困難を乗り越える大きな支えになったでしょうし、鉢嶺氏の人間的な魅力になっていると思いました。

モデレーターの岡部正寛氏(右)の質問に対し、東京から中継で答える株式会社オプトホールディング代表取締役社長の鉢嶺 登氏

東京会場での株式会社オプトホールディング代表取締役社長の鉢嶺 登氏

かような推測はともかくとして、鉢嶺氏のお話は実にオープンで具体的です。テモナの中野氏のところでも触れましたが、具体的な(できるだけ大きな)目標と達成時期を設定し、それを実現するためにしなくてはならないことを逆算して行動する、優秀な人材による経営チームを作る、応援してくれる人を作る、切磋琢磨できる人生の友を作るなど、企業を成長させるためのアドバイスのほかにも、守るべき持ち株率についてや、直接金融と間接金融のメリットデメリット、日本とアメリカのベンチャーキャピタルの違い、落下傘人事は失敗しやすいなど、自身の実体験をベースにビジネスの注意点を分かりやすくご教示いただきました。その内容の濃さに加え鉢嶺氏の話術の巧みさもあってか、40分強という講演時間が瞬く間にすぎていった感じです。

続いては、FGN入居企業であるZEPTOR Asia株式会社代表取締役の東原隆三氏のプレゼンです。シリコンバレーに本社のある同社は、リチウムイオン電池やドローン用の高性能バッテリーの設計および販売をビジネスモデルとし、他社製品よりもパワー・持続性の両面で優れているバッテリーをリリースしているとのことです。ドローン市場は将来が嘱望されるカテゴリーです。使われるバッテリーについても同じように高い成長率を示しているようなので、九州から世界への挑戦も、早い段階で結果が出るのではないかと期待が持てます。

ZEPTOR Asia株式会社代表取締役の東原隆三氏

さて、プレゼン・セミナーの最後を飾ったのは、軒先株式会社の代表取締役である西浦明子氏です。西浦氏は2009年に同社を設立し、全国の空きスペースの活性化のためのプラットフォームを作り、駐車場のシェアシステムと簡単にお店が開ける軒先ビジネスを展開しています。ちなみに同社が設立された2009年といえば、シェアリングエコノミーの象徴的存在でもあるウ―バーが設立された年です。

女性らしい細やかな視点でビジネスを展開する軒先株式会社代表取締役の西浦明子氏

そんな先見性の高さもさることながら、起業したきっかけもユニークです。雑貨店を開くために短期間借りられるスペースを探したところ、なかなか見つからなかったことが起業につながったと西浦氏はいいます。ビジネスのヒントが日常の些細な点にあることがよくわかるエピソードです。
西浦氏の講演後は、山田ビジネスコンサルティング株式会社の取締役である李志翔氏から、スタートアップにとって重要なM&Aや事業継承などのサポート体制についての紹介があり、その後のネットワーキングパーティをもって今回のイベントは終了しましたが、とにかく内容の濃い充実したカンファレンスになりました。

山田ビジネスコンサルティング株式会社取締役の李志翔氏

次回の『FGN Conference』は、2017年8月17日(木)に開催します。皆様の参加を心よりお待ちしております!!