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「優劣をつけないピッチが生み出した成果」-Fukuoka Growth Next Camp-

 Fukuoka Growth Next Camp、続いてのセッションでは、「Morning Pitch」の現在について。メンバーは以下の通り。(写真右から)

パネリスト:
デロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社
プラットフォーム事業部Morning Pitchリーダー 永石 和恵 氏
関西地区リーダー 権 基哲 氏
九州地区リーダー 香月 稔 氏

モデレーター:
株式会社KADOKAWA ASCII.jp
週刊アスキー編集部 鈴木 亮久(ガチ鈴木) 氏

3拠点それぞれの“Morning Pitch”とは?

 毎週木曜の朝7:00から開催されている“Morning Pitch”。スタートアップと大企業の事業連携を目的として開催され、大企業・上場企業・ベンチャーキャピタル・官公庁・メディアなど毎回約100名のオーディエンスが参加する会員制ピッチです。
 2013年のスタートから今年で6年目、これまで200回を超える回を重ね、登壇したベンチャーは1,000社に上ります。テーマは「ヘルスケア・AI」など話題性が高いものが都度選定され、そのムーブメントは全国へと広がりをみせています。

 大阪では、Morning Pitchと同じ属性のプログラム“Morning Meet Up”を開催。Morning Pitchへの参加企業数に比べ、Morning Meet Upの参加企業数に関しては、更なる巻き込みが期待され、大企業とベンチャーとの本格的な交流は「正直これから」とのこと。
 2013年のスタートから月2回ペースで開催され、登壇企業は毎月10社程度。ベンチャーの積極的な関西進出をサポート、全国へのネットワーク作りを目指しているといいます。

 一方、福岡は野村證券・投資会社ジャフコの共催で2013年にピッチをスタート。時期尚早と判断して中断していたものの、昨今のオープンイノベーションに対するニーズが高まったと感じていたタイミングでFukuoka Growth Nextからの誘いを受け、「Growth Pitch」として昨年8月から再開。ビジネス交流のプラットフォームとなっています。

5年間の成果

 Morning Pitchが誕生して5年。その間に150~200の協業事例が生まれました。有名な例では、朝日新聞のサムライト買収もこのMorning Pitchがきっかけ。また、ハイブランド委託販売・買取サービスを手がけるアクティブソナーは、オムニ7(セブン&アイグループ)との提携をはじめ、アライアンスや百貨店への出店に成功するなど、大小様々な事例が紹介されました。

5年間で変わったこと

 オープンイノベーションの流れが一般的になってきた現在、スポットが当たっている社内イノベーター。大企業内の起業家精神に触発され、新規事業やスタートアップ探しを目的とした情報収集が盛んになってきたといい、スタートアップ開拓の体制を作りあげた有名企業の事例などが紹介されました。

 今後の大企業側の課題としては、「バイネームで活動できる人を増やすこと」「(社内で)プロジェクトとしてスタートアップとの協業を進めていける環境づくり」などが挙げられました。

大企業・スタートアップそれぞれの“成果を出す方法”

 大企業側に求められるのは、「サーバントリーダーシップのある人」。ベンチャーの意向をくみ、伴走できるような人が信頼を得るといいます。社内での動きをコントロールし、ベンチャー育成に取り組むことが今後の課題。「デロイト トーマツ ベンチャーサポートがアポをアレンジして大手百貨店の役員にベンチャーを連れて会いに行き、その時にビジネスが即決だった」というスピード感のある成功事例が挙げられました。

 一方、スタートアップ側の成功の秘訣は「事前準備」と「貪欲さ」、そして「思いやり」。
 事前準備として、組みたい相手を明確に定め、提携ニーズをつかむこと。また、ピッチ後の交流会では名刺を一枚でも多く取りに行く貪欲さなどがあげられました。また、大企業の社内事情(稟議決裁の必要など)を踏まえたプレゼン力や思いやりなど、ビジネスに必要な姿勢について語られました。

Morning Pitchが見てきた5年間と、これから

 Morning Pitchは以前、テーマを絞らない「なんでもあり」でしたが、協業ニーズがはっきりしてきた現在は、テーマを絞り、目的意識を持って取り組むことで成果を上げやすくなってきたといいます。
 大阪のMorning Meet Upでは、関西の大企業を誘致し、全国のベンチャーが関西進出できる環境作りを今後の課題としています。

 それぞれの目的をもって集まりつつも、偶然の出会いが新しいビジネスアイディアを生み出す場所-Morning Pitch。優劣をつけない自由な発想力で、これからのイノベーションを牽引します。

 Fukuoka Growth Nextで行われているGrowth Pitchも、今後、東京・大阪とは少し違った、しかし大きな成果を挙げていくことが期待されます。