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第14回Growth Pitch -ヘルスケア特集-

 7月12日(木)、Fukuoka Growth Next で、スタートアップの成長促進や、企業との事業提携機会の創出を目的として、大企業や中小企業、 VC、メディアを対象としたスタートアップによるピッチイベント「Growth Pitch “ヘルスケア特集”」を開催しました。

 今回のテーマは ”ヘルスケア特集”
 高齢化が進む今、医療・福祉分野の市場規模は2030年に向けて拡大し、産業者別就業者数も医療・福祉分野は2030年には日本最大の産業になっていくことが予想されています。
その中で、問題点とされているのが「人材不足」と「サービスレベルの低下(事故・虐待)」です。
メディカル業界では【IoT】【AI×○○】【新しいUX】といったツールでこういった課題解決に取り組むスタートアップが多く出てきており、今回はその中から4社のスタートアップにご登壇いただきました。

“専門医が作る新しい遠隔画像診断プラットフォーム”

 1社目の株式会社radioplatが提供するのは、新しい遠隔画像診断システムです。既成の概念に囚われないシステム、AIを駆使した読影、簡略化した読影レポートにより、より安価で効率のよい遠隔画像診断システムの提供に向け準備を進められています。

 現在、日本国内には世界の3分の1に相当するCTやMRI等を有しながらそれを読影する専門医は米国に比べ半分の比率しかいません。限られた専門医を最大限に活用するために、いまだに病院を掛け持ちして文章で行われている画像診断をクラウドとAIを活用して、フォーマット化した診断レポートにより効率を上げていくシステムを構築することで、より安価に診断の速度を大幅にアップすることができるというものです。専門医の負担軽減に留まらず、定年後や産休・育休中の医師、外国人医師を活用できる遠隔画像診断プラットフォームとして言語の壁を超えるグローバルの展開を目指しているとのことです。
 日本医学放射線学会診断専門医である川野社長のもと、今年10月までにサービスを開始されるそうです。
 提携先には医療機関に限らず健康診断などで遠隔読影を使ってみたい企業や、インフラの整っていない離島などでインターネット設備を整えるためインターネット回線業者との連携も希望されています。

 世界中のお医者さんが余裕をもって病気を見つけてくれたら安心ですね。

“認知症に特化した新たなソーシャルビジネスの展開”

 2社目はThe Harmony Inc.です。今後日本の高齢化人口は3,454万人、認知症患者は1,154万人になり生産人口は減少し続け介護従業者だけでも約38万人が不足します。
その課題に対し認知症に特化した複合施設の展開と認知症コミュニケーションロボットの開発で、日本の介護を持続可能な地域の基幹産業に変え、地方から日本の社会課題を解決していくために取り組まれています。

 飯塚市での開業から7年目を迎え、独自の認知症ケアを実践し高いノウハウを持つ同社は、介護施設でも受け入れが難しい中重度の認知症の方とその介護者さんの支援に特化したサービスを展開しています。
特徴は「通い・泊り・住い」を一貫して行えること。介護報酬を一本化し比較的安価でのサービス提供を実現していることが挙げられます。
人材不足に陥りがちな介護業務にもテクノロジーを導入し補完するため、安価な認知症AIコミュニケーションロボットを開発し認知症の悪化防止に効果的と言われている会話を促進する取り組みをおこなっています。
 福岡市内での事業展開を目指し土地・建物のオーナーや不動産事業者との提携を希望されています。
 
 介護士や介護者の資質に依るところが大きな認知症介護もテクノロジーで補完して間口を広げることが重要だと感じました。

“ピンピンコロリ!健康寿命を伸ばし労働力不足も解決”

 3社目は、ヘルスケア事業、人材サービス事業を通して社会課題の超高齢化社会、社会保障費の膨張抑止を実現するために、健康寿命を延伸するサーキュレーション社会を画策し、「社会保障の抑制と確保」を目指すユーコネクト株式会社です。

 県内に各種デイサービス「ユーフィット」を展開運営し、理学療法士による機能訓練プログラムと充実の設備で、短時間リハビリから中重度型デイサービスまで、楽しく効果的なリハビリテーションを提供しています。
要介護者さんの「元気になりたい気持ち」をサポートし、脱・要介護を目指して社会保障費の抑制に寄与することを目的に在宅医療、介護予防による介護給付者(シニア層)への自立支援が特徴です。
 同社の持つ事業の一つである総合人材サービスを活用して脱・要介護者の就労をサポート。同社では「ユーフィット」で元気になった方に働いてもらえるようアグリ事業への参入を準備中とのこと。
介護報酬制度の改変のため立ち行かなくなった介護施設が増えてきています。引き継ごうとしても飲食などの通常店舗に転換されるケースが多い為、事業展開には不動産事業者さんとの連携が必要とのこと。またアグリ事業で流通などの協力を求めています。

 儲からないビジネスと言われる介護業界で、どうすれば継続できるビジネスモデルを定着させることができるのか。業界を超えた事業提携が必要です。

“より早く高精細に配信する新しい動画ワークフローを開発”

 4社目の株式会社ユニゾンシステムズは、日本で4社しかできない放送局基幹システムのパッケージ開発販売を手掛け、更に世界中で次々に生まれるコンテンツを、より早く高精細に配信する新しい動画ワークフローを開発し、様々なビジネスシーンに改革をもたらしています。

 撮影機器の目覚ましい進化に伴い必須となるのが映像データ転送技術。同社のプラットフォームを利用すれば4Kなら4K、8Kなら8Kと高精細な画質を維持したまま映像を高速かつ安全に、関係者だけにプレビューやシェアリングもできるサービスです。
 またAIを駆使した画像解析により字幕はもちろん音声のみをテキスト化したりと、どんな分野にも適応可能。ヘルスケア分野ではすでにレセプトデータや医用画像の転送、遠隔での高度医療の技術支援や医療の教育にも利用されています。

 同社の技術をどう使いこなすことができるか、がヘルスケア分野においてもカギになると思われます。

 今回のGrowth Pitchでは開催中に登壇者さん同士の業務提携が決まるという、うれしい出来事もありました。
 医療に福祉の最前線とそれを支える技術。知ることで生まれるオープンイノベーションを体験しました。

 次回は9/13(木)に第16回Growth Pitchフード特集を開催します。
 詳細はこちらをご覧ください。